都内の様々な名所は、長い感染症対策から解放され、どこも観光客で賑わっています。17世紀の江戸時代から変わらず人気の歓楽地であった浅草も、400年を経ても未だに多くの行楽客でごった返しています。最近は、海外からの観光客がひときわ目立つようです。

浅草の老舗蕎麦屋である並木藪蕎麦。平日の午後1時過ぎ、友人と約20分待ちの行列に並びました。私たち以外は皆さん海外からの観光客。店内も同様に日本の客は少数です。

彼らは仲間同士でああだこうだ言ったり、スマホで検索し、周りを見回したりして、慣れないメニューに格闘されております。しかし、おしなべて皆さんたいへん大人しい召し上がり方をされています。

まずは蕎麦の香りを感じろだの、空気を含ませ音をたてて啜るべきだの、そばは手繰るんだよ、つゆはつけすぎるな、わさびや薬味は蕎麦にのせろ、蕎麦湯を味わえ、お茶は蕎麦の香りを損なうから飲むなだの、蕎麦に一家言ある方々はよくそうおっしゃいます。

はっきり言って、どうでもいい!

好きに楽しめばそれでよし!

その起源は、立ち食い、地べた座りのファストフード。そもそも、マナー、しきたりなんぞあるわけがない。いつからそんな偉そうで、面倒くさい料理になったの、しちゃったの。

蕎麦に限らず、頼んだメニューを写真だけ撮った挙句箸もつけず残したり、口にするものを冒涜するような振る舞いさえしなければ、どんな食し方をしても構いませんことよ。

どうか、蕎麦を、日本食を、浅草を、東京を、日本を楽しんでください。