そば好きです。老舗はもちろん、町そば、立ち食いそば、乾麺のそば、冷凍そば、スーパーの惣菜そば、どれもそれなりに好きです。節操がありません。

が、なぜか自分で蕎麦を打ってみようと思ったことがありません。相方がそばアレルギーなもので、そもそも自宅で蕎麦打ちなんてもってのほかですが。

老舗や話題の店、有名店にはひとり、さもなくば友人、親戚、仕事関係者をそれとなく誘導して暖簾をくぐるよう仕向けます。

買ってきたそばは、自分用に黙々と調理し、黙々と食した後は速やかに食器と什器を丁寧に洗浄。完全犯罪のための証拠隠滅をしているが如く。

神田には、老舗や話題の蕎麦屋が多く店を構えています。

淡路町の神田藪蕎麦、須田町のまつや、神田錦町更科、三崎町の松翁、室町砂場、そして須田町の眠庵。

神田のお気に入り蕎麦屋です。味、店の室礼、もてなしなど、それぞれに特徴があり、それぞれに良さがあり、それぞれに感動があり、比較はしたことがありませんし、そもそもできません。

ところで、神田淡路町2丁目と神田須田町1丁目がある三角地帯はかつて連雀町、佐柄木町でした。震災も戦災も免れた奇跡のトライアングルといわれています。

にもかかわらず、神田藪蕎麦は2013年冬、漏電のためあっけなく焼失。多くの常連の方や支持者の応援もあり、翌年10月に再オープンしました。

この一角は、いせ源、ぼたん、竹むら、松栄亭、近江屋、ショパンなどの老舗が軒を連ねる昭和な街並みです。

実はこの一角にもう一軒お気に入りの蕎麦屋があります。神田藪蕎麦とまつやのちょうど真ん中、とんでもない自信があるか、ニッチ狙い、もしくは破れかぶれか。

六文そば。立ち食いそばチェーン店のひとつ。ここは、六文そばの草創期に出店した一軒なんだそうです。

大好きなのは、ゲソ天そばにネギ多め。店の奥で揚げていますが、昼どき1時半を過ぎる頃には売り切れになってしまいます。セカンドベストは春菊天か紅しょうが天。やや太めの麺と濃いツユが美味い。

美味いものはうまい。こだわりというものがとんとありません。その時食いたくなったものがご馳走なんです。当たり前ですが。

あとどのくらい自分の大好きなものが食える機会が残されているんだろうか。健康診断での警告は気にはなるけど、やっぱり塩分高めの美味いツユをグッと飲み干す多幸感、抗えません。

毎年毎回、健康指導が恒例になっています
投稿者

carrera

連雀町、佐柄木町の歴史と土地に染み込む老舗の香り件のコメント

  1. 今は亡き父と息子の仲良しコンビ 毎回 お墓参り帰りは お蕎麦屋さんでの昼食 暗黙の決まりだったそうです。 
    今は息子と私 暗黙に継承中です。

    それにしても 美味しい話に「減塩」指導は中々受け入れ難い…

    智子

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