日比谷公園の地下に大層広大な駐車場があるのをご存知の方もいらっしゃると思います。
24時間出入庫可能。官公庁の建物も多い日比谷にあって深夜、どれほどの需要があるというのでしょう。

ここには、駐車料金を払いさえすれば、自由に洗車ができるスペースが用意されています。特に深夜は、駐車料金が割引になり、平日でも順番待ちは当たり前、結構なにぎわいをみせています。地方ナンバーの方もいらっしゃいます。みなさん、ご自分の洗車セットを用意して臨んでおられます。
日比谷公園はその昔、松平肥前守、長州藩毛利家、佐賀藩鍋島家などの上屋敷であったそうで、後に陸軍練兵場となりました。軍より東京市に払い下げられ、しばらく紆余曲折あり1903年世界的にも珍しい和洋折衷の公園として整備され今に至ります。

1960年に地下駐車場が完成しました。当時としてはかなり画期的な大規模な駐車場でありました。単なる公園に地下2層にもなる広大な地下空間をわざわざ作るにはそれなりの理由があったはずです。恐らく、その前から地下空間は存在したと考えると、腑に落ちます。
軍事目的。軍事車両基地、ヤバいものの保管庫、日比谷のみに限らず、もっとあちらこちらへ繋がる地下網の一部であった。
その使い途に苦慮した挙句の落とし所であったのではないでしょうか。

ところで、洗車場は水の使い放題です。数年前の夏の水不足の際も特に制限もなく平気で使用できました。そういえば、噂ではなんらかの水道施設があったとも言われています。
都心の人目に触れない地下で深夜、黙々と愛車を洗車している輩は、互いに都会的な無関心を装う愛すべき同志たちなのです。


日比谷駐車場:https://times-info.net/P13-tokyo/C101/park-detail-BUK0028630
2024年6月現在、日比谷公園は大変なことになっております。噴水も花壇も野外音楽堂もなくなってしまいました。開園以来120年以上の面影はなくなってしまいました。何がご不満だったんでしょう。現K知事がゴーサインをお出しになったそうです。
お隣を大々的に開発中のM不動産(丸の内辺りのMじゃない方)との密約があるとかないとか。日比谷通りを挟んだ向かい側の東京Mタウン日比谷と繋がる通路(デッキ)とかができたとしたら、いよいよ疑いがましますね。おまけに帝国ホテルを挟んだ南側にもM不動産が手掛ける開発が進んでいます。
その煽りをくらって、2024年7月1日、洗車スペースは改装工事のため閉鎖されるとのことです。大変残念です。